ノルディック・セミコンダクターは、2026年3月30日、Nordic Fuel Gauge v2.0を発表しました。この新ソリューションは、nPM1300およびnPM1304パワーマネジメントIC向けに設計されたソフトウェアベースのバッテリー状態管理アルゴリズムで、従来比で大幅に進化した性能を発揮します。
適応型バッテリーモデルで経年劣化に追従
Nordic Fuel Gauge v2.0は、初期プロファイルと実使用挙動の継続的な比較を通じて、適応型バッテリーモデルを構築します。これにより、時間経過に伴う誤差蓄積を抑えて、バッテリーの健康状態(SoH)を高精度に推定できます。充放電サイクル数や温度条件、使用パターンの違いにも柔軟に追従し、製品ライフタイム全体で安定した精度を維持するとのことです。

また、バッテリーを複数備え、交換しながら使用する機器に対しても、各バッテリーのSoHを個別に追跡可能で、保守や交換時期の判断を精度よく行えるようになります。
Ms.ガジェット専用IC不要で低コスト・省電力实现
今回の手法では、
専用のバッテリー状態管理ICを必要とせず、nPM1300に内蔵された電圧・温度・電流センサーと、ホストMCU上で動作する高度なアルゴリズムを組み合わせて動作するとのことです。これにより、部品点数(BOM)の削減とシステム構成の簡素化が可能になり、専用IC同等の精度をより低コストで実現しています。
加えて、スリープ時の消費電力はゼロで、競合ソリューションと比べて大幅な省電力を達成したと説明しています。
主な特徴:
- SoH推定精度の向上
- 実使用挙動に基づく適応型モデル
- 複数バッテリーの個別管理対応
- 専用IC不要のソフトウェアベース構成
- スリープ時消費電力ゼロ
Ms.ガジェットnRF Cloud powered by Memfaultとの統合でフリート管理強化
Fuel Gauge v2.0は、NordicのクラウドサービスであるnRF Cloud powered by Memfaultとシームレスに統合されます。デバイスからバッテリーのSoH、充電状態(SoC)、その他の性能指標を自動的に送信でき、専用クラウド基盤を構築する手間を省けます。
これにより、企業はフリート全体のバッテリー状態を一元監視でき、異常の早期検出や、実データに基づく充電パラメータの最適化、さらには次世代ハードウェア設計へのフィードバックが可能になります。
Memfault創業者でNordicソフトウェアサービス担当VPのFrançois Baldassari氏は、「企業はフリート全体のデバイス挙動を理解・改善するための強力かつスケーラブルな手段を手に入れる」と述べています。
技術仕様(概要):
- 対応MCU/SoC:nRF54シリーズ、nRF91シリーズを含む任意のNordic製品
- 他社MCU/SoC:Nordic以外のホストでも動作可能
- 統合対象:nRF Cloud powered by Memfault
- 提供開始:2026年6月(正式提供)、現在はベータ提供中
Ms.ガジェット長寿命設計と修理の権利(Right to Repair)への対応
Nordicは、このアップデートがEU電池規則(2023/1542)への対応を支援すると説明しています。この規則では、製品ライフタイム中、ユーザーがバッテリーを容易に取り外し・交換できることが義務付けられています。
Fuel Gauge v2.0により、メーカーはユーザーに適切なタイミングでのバッテリー交換を通知でき、過剰交換の防止や保証コストの削減にも貢献します。また、修理可能な設計を推奨する「修理する権利(Right to Repair)」の観点からも、製品の信頼性向上と持続可能性の実現を後押しするとのことです。
PMIC製品ディレクターのGeir Kjosavik氏は、「実際の現場でのバッテリー挙動とラボ測定結果は通常一致しない。 Fuel Gauge v2.0により、これまでハイエンドのコンシューマー機器に限られていた実環境インテリジェンスをIoT分野に提供します」と述べています。
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