世界最大の量子化学用量子回路シミュレーションに成功
フィックスターズと大阪大学の研究グループは、量子化学用量子回路シミュレータ「chemqulacs-gpu」を開発し、その実証実験において、状態ベクトル型シミュレータとして、問題サイズ・量子回路サイズともに世界最大のシミュレーション実行に成功しました。

研究の背景
量子コンピュータの実用化を加速させるためには、ハードウェアの開発と並行し、既存の古典コンピュータを用いて量子アルゴリズムをシミュレーションし、その有効性をあらかじめ検証しておくことが重要です。特に、量子位相推定法(QPE)は、多くの量子アルゴリズムのサブルーチンとして用いられ、量子化学においても、現行の古典コンピュータでは困難な解析を可能にするものとして期待されています。
研究の内容
研究グループは、QPEの中でも必要な量子ビット数が少ない「反復的QPE(IQPE)」に焦点を当て、量子化学用量子計算シミュレータ「chemqulacs-gpu」にこのIQPEを実装しました。さらに、大規模GPUクラスタの計算性能を最大限に引き出す並列計算技術を新たに開発・適用することで、量子化学向けの状態ベクトル型シミュレーションとして先行研究の最大規模であった40量子ビットを超え、世界最大の量子回路シミュレーション実行に成功しました。
成果
最大問題サイズはH2O分子での42スピン軌道系の計算、最大回路サイズはFe2S2分子での41量子ビット回路の計算でした。これにより、より複雑で現実的な分子を対象とした量子アルゴリズムの開発・改良が可能になります。
Ms.ガジェット研究の体制
本研究は、QIQB水上教授の研究計画に基づいた共同研究として遂行されました。QIQBは、GPUクラスタ向けのIQPEシミュレーション手法の研究開発や、量子化学レイヤとシミュレーションレイヤを接続するインタフェースの実装を主導しました。株式会社フィックスターズは、GPU処理の計測・改善技術を提供し、シミュレーションコードの実装最適化およびABCI-Q向けのパフォーマンスチューニングを担当しました。
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